二度あることは三度ある

朝、仕事を始める前に気分を落ち着かせるためや、今日も頑張ろうなんて思いながら珈琲を飲んだりする。
だいたいが、その時に飲みほしてしまうのだが、今日は少し残したまま台の上に置いたままだった。
朝一のお仕事の掃除。
朝の光がいつも目にしない、壁のホコリをキラキラときれいに照らし出しているのを見つけてしまう。
余計な作業をしてしまうと、仕込み時間などに影響してしまうのだが、なぜだが今日はつい手を出してしまった。
珈琲のカップが少し気になったが、ちょっと掃除機を手で持ち上げ、片方の手でホースを伸ばす。
もうちょっとこっちもしよう、もう一回あっちもしよう、そんなことを繰り返していると最後にカップをひっかけてしまう。
カップを落とすことはしなかったのだが、残っていた珈琲を床に派手にまけてしまう。
―やれやれと一人ごちる。
営業中、ランチの混雑時に食後の珈琲の準備をしていた。
4人分をカップに分け、先に二人分、セットしたトレーに置く。置くトレーを間違えたことに気づき、置き換えようと一緒に載っていたケーキ皿を持ちあげた瞬間、バランスを失ったトレーがひっくり返る。
朝よりも派手に二人分の珈琲が床に大きな茶色いシミをつくり、お気に入りのカップがそのシミの上でいろんな大小の形に姿を変えてしまった。
―やれやれと頭の中で思う。
久し振りに食器を割ってしまった。
あー、二度あることは三度あるのかとその後心配したのだが、今日は三度めはなく無事終えることができた。
三度めはもういいかなと。


レジ上にライトを新しくつけてみました。
かわいかったので衝動買い。
誰もカワイイとは言ってくれないんですがね。