ケトル

最近、やかん持ちになった。
自宅で、コーヒーを飲めない状態が夏ぐらいから続き、ポットはあるけど、やかんがない、サーバーがない、ドリッパーがない、ミルがない。
ないものばかりで一つずつ揃えていくことになる。
まず、ハリオのサーバーを雑貨屋で買い、ドリッパーは店に眠っていたkonoのものを拝借した。後、やかんとミルがなかなか決まらない。やかんは前々から気に入っていた柳宗理のものがほしいのだが、やかんにしては高額すぎる。ミルもできれば電動のものをほしいのだが、これもまた高額過ぎて家飲みだけには辛い。
という具合に考えて悩み、くだらない時間を過ごすこと数カ月…。結局、やかんはそこそこの丸いやかんを買い、ミルは手挽きのシンプルな安価なものを選んだ。
このやかんとミル、値段の割には優秀な道具たちで、やかんは注ぎ漏れもしなく、沸く音もなかなか上品。ミルは最初、挽く粗さの調節が難しく、挽くのも結構、力がいるものだったが、今は挽く粗さも決まり、ゴリゴリ豆を挽くのも何か苦にならなく生活の一部に溶け込んでいる。

しばらくして、お祝にお客様からやかんを二つも頂いてしまいました。
やかん、二つ。そんなプレゼントはこの先ないだろうという組み合わせ。二つの箱が、どちらもやかん。でも、その二つとも自分でほしいなあ、と思っていたやかんだからまたすごい。
柳宗理野田琺瑯のケトル。
存在感というか佇まいがこのケトルにはあると思う。なんともかっこいいのだ。
自分で買ったやかんも結構、かっこいいと思ってはいたが、このケトルたちには負けるよなあ、と思った。
お店のやかんがあまりにもひどいものだったのと、自宅用のがないというのを聞いて、二つプレゼントしてくれたみたいで、本当にありがとうございます。
結果、最近、ケトル持ちになった。
コーヒーも自宅でよく飲むようになった。