資質

「人にはそれぞれ資質というものがあるから」
そんな科白を、親しくさせて頂いている方から頂いた。
「向き不向き」と言えばよいのかと考える。どんなすばらしい理想や希望を持っても自分の資質がなければどうにもならないことがあるのは、年を重ねるにつれ理解してくる。
資質とは持って生まれたものなのか、才能みたいなものかと。
傍から見ているとその人の周りには人がいて、その人は中心にいるように見える。実際、そうなってしまうみたいなことをおしゃっていた。自身、そんなふうには思っていないらしい。本当は全然、後ろ向きにもなって落ち込むし、心の波みたいなものもやってくると。でも傍から見ているとそんな感じを受けない。そこまで、その方のことを親しく知っている間柄ではないので当然かもしれない。
年をとるともうやるしかなくて、開き直れるともおしゃっていた。そんなこともひっくるめて、資質なんだろうなと思う。
自分の資質とはどんなものだろうと、その方が帰られた後、考えてみたがうまいものが思いつかなかた。自分では気づかない資質のようなものがあればいいよなと、心細く一人思ってしまった。

写真の方はこの間カウンターで、短時間で絵を描きあげていた。
その方曰く、最初は全然下手だった、練習して上手くなってきたと。今でも上手いとは思うのだけど、まだまだだよみたいなことをおしゃっていた。
努力もまた資質なんだろうな。何かできる人って素敵だなと思う。「何か」って別に特別なことではなくてもいいのであって、なんだろうな上手く言えないんだけど何かを感じさせることみたいなこと。
「感じさせる」「感じることができる」そんな感覚を何も持っていなくても大事にしたいと思う。