きっかけ&タイミング

いろんな物事にきっかけがあったりする。
後から考えたら、あれがきっかけだったのかと思ったり、結局、どれもきっかけと言えるものがなかったりする場合もあるのだが。
お店でよく思うのが、お客様の立つタイミングで、少しまったりとした時間が流れていて、まだまだお帰りにならないだろうと思っているところに、新しいお客様が入って来られる。
それが合図だったかのように、一組のお客様が席から立ち上がる。そうすると連鎖反応みたいに、他のお客様も立ち上がってくるから不思議だ。
ふと我に返る。時計を確認する。もうこんな時間じゃないか。そろそろかな。そういう流れが新しいお客様が入ってくることによって出来上がる。
少し忙しい時は、お店側の勝手な要望なのだが、もう少しずらして頂けたらと思ったりする。新しいお客様とお帰りになるお客様、さらにオーダーが入ってきたり、料理やドリンクが上がってくるタイミングが重なるとかなり焦ってしまう。
「あ、ちょっと、もうちょっと後で立ち上がってくれたら…」
でも、そんなことはお客様には関係なく、帰りたい時に帰り、来たい時に来る、それが普通で当然なことで、僕らは何か言える立場ではない。ただ、出来るだけ誠実に焦らずに丁寧に対応していくことを肝に銘じるしかない。

後、お水を注ぎにいくタイミングが難しかったりする。
全くそんな気はないのだが、注ぎに行くことによってお客様の帰るタイミングを作ってしまうこと。
そんなきっかけをこちらから作ってしまうことは、すごく悪いことをしてしまったように思える。
「ただ、お水が少なくなってるかと思い見に来ただけなのだが…」と辛くなる。
そういうことが続くと、お水を注ぐにいくのが臆病になる。でも、お水がなくて困るお客様も当然いらっしゃるから行かないわけにもいかない。
タイミングときっかけ。
難しいものです。人生のタイミングときっかけ。そんなこともっと分からないような気がする。
まだまだ先は長い。